炊飯器の電気代はいくら?1回・保温・年間を151機種の公表値で計算

一般論の計算例ではなく、収載151機種の公表値を同じ物差し(単価31円/kWh)で機械計算しました

現行151機種の公表値1回の炊飯 約5.6保温の損益分岐 中央9.6時間
炊飯器の電気代の計算
収載機種の公表値から同じ物差しで計算しています

毎日の食事に欠かせない炊飯器ですが、1回の炊飯にかかる電気代は数円程度です。本ページでは、現行収載されている電気式151機種の公表値を用い、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込・2022年7月22日改定)に基づいて計算したデータを整理しています。炊飯にかかるコストだけでなく、保温を続けた際の電気代についても詳しく見ていきます。使用環境によって数値は変動しますが、機種ごとの傾向を把握する目安としてお役立てください。

1回・保温1時間・年間の早見表

方式別(中央値)

方式(中央値)1回の炊飯保温1時間年間(公表値)
圧力IH(41機種)181Wh ≒ 5.6円16.8Wh ≒ 0.5円87.7kWh ≒ 2,719円
IH(64機種)167Wh ≒ 5.2円17.4Wh ≒ 0.5円88.7kWh ≒ 2,750円
マイコン(8機種)99.3Wh ≒ 3.1円10.5Wh ≒ 0.3円83.3kWh ≒ 2,582円

容量帯別(中央値)

容量帯(中央値)1回の炊飯年間(公表値)
3〜4合(少人数)(33機種)115Wh ≒ 3.6円50.3kWh ≒ 1,559円
5〜6合(標準)(44機種)176.1Wh ≒ 5.5円85.6kWh ≒ 2,654円
1升(大容量)(8機種)242.7Wh ≒ 7.5円135kWh ≒ 4,185円

公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込・2022年7月22日改定)で計算。母集団は現行収載151機種の公表値(ガス炊飯器10機種はエネルギー源が違うため除外)。

炊飯器の保温は何時間までが得か——データが示す線引き

炊飯器を使い続ける上で、保温による電気代がどの程度かかるのかを知る目安として「保温の損益分岐」という考え方があります。これは、保温を続けて消費される電力量の合計が、1回分の炊飯にかかる電力量に到達する時間のことを指します。今回調査した91機種の中央値に基づくと、その時間は9.6時間となります。

生活の時間軸で考えると、例えば朝に炊いたご飯を昼食時に食べる程度であれば、保温による電気代の増加はわずかなものであり、それほど意識する必要はありません。朝に炊いて夕食まで持ち越すと、ちょうど損益分岐の前後に差しかかる計算になります。

一方で、丸1日以上の長時間にわたって保温を続ける場合は注意が必要です。9.6時間を超えて保温を継続すると、電気代のコストは1回の炊飯にかかる分を超えていきます。この段階になると、一度で大量に炊いて冷凍保存しておく方法や、食べる直前に電子レンジで温め直す方法と比較して、どちらが効率的かを検討する価値が出てきます。

機種(レビュー多い順)方式1回の炊飯保温1h損益分岐保温8hの電気代
象印 NW-SB10IH175Wh17Wh10.3時間4.2円
シャープ KS-CF05B103.5Wh11.1Wh9.3時間2.8円
象印 NP-GM05IH115Wh14.7Wh7.8時間3.6円
アイリスオーヤマ RC-ISA50-W158.5Wh14.9Wh10.6時間3.7円
東芝 RC-10HRIH185.8Wh21.7Wh8.6時間5.4円
象印 NW-SA10175Wh17Wh10.3時間4.2円
象印 NP-GS05IH115Wh14.7Wh7.8時間3.6円
象印 NP-RU05111Wh12.5Wh8.9時間3.1円
象印 NL-BF0592.4Wh10.4Wh8.9時間2.6円
象印 NS-NH0595.3Wh11.5Wh8.3時間2.9円
東芝 RC-5XWIH147.7Wh14.7Wh10時間3.6円
三菱電機 NJ-BW10G-BIH160.6Wh17.8Wh9時間4.4円

損益分岐=炊飯器の保温で使う電力量の合計が「1回の炊飯」と同じになる時間(公表値から機械計算)。「保温は何時間までつけっぱなしでいいか」の機種別の目安になります。保温の公表値がある91機種の中央値は9.6時間

わが家ではいくら?電気代シミュレーター

月およそ / 年およそ

お使いの炊飯器に近い機種を選ぶと、公表の消費電力量(1回の炊飯・保温1時間)から機械計算します。単価の初期値は31円/kWh(公取協の目安単価)。

年間電気代の安い炊飯器(公表値の機械集計)

3〜4合(少人数向け)

機種(年間電気代が安い順)方式容量年間電気代レビュー実売
象印 NL-BF053合37.8kWh ≒ 1,172円★4(13件)¥11,740 相場内
象印 NL-BE053合37.8kWh ≒ 1,172円★5(1件)¥22,980 相場内
象印 NL-BX053合38.1kWh ≒ 1,181円¥22,110 相場内
象印 NS-NH053合39.1kWh ≒ 1,212円★4.73(11件)¥9,344 相場内
東芝 RC-5AMXマイコン3合39.6kWh ≒ 1,228円★5(1件)¥11,908 相場より安い
東芝 RC-5SLマイコン3合41kWh ≒ 1,271円¥4,350 相場内
象印 NW-UU07圧力IH4合46.9kWh ≒ 1,454円★5(1件)¥82,200
象印 NP-RP05圧力IH3合47.2kWh ≒ 1,463円¥29,800 相場内
象印 NP-RN05圧力IH3合47.2kWh ≒ 1,463円¥24,500 相場内
象印 NP-RT05圧力IH3合47.2kWh ≒ 1,463円¥44,121 相場内

5.5合前後(標準)

機種(年間電気代が安い順)方式容量年間電気代レビュー実売
パナソニック SR-NA102IH5合50.1kWh ≒ 1,553円¥36,680
パナソニック SR-R10BIH5合51.5kWh ≒ 1,597円¥39,040 相場より安い
象印 NW-BK10圧力IH5.5合77.1kWh ≒ 2,390円¥58,080 相場より高め
パナソニック SR-M10BIH5.5合78kWh ≒ 2,418円¥70,624 相場内
象印 NW-VT10IH5.5合79.2kWh ≒ 2,455円★3(1件)¥32,780 相場内
アイリスオーヤマ RC-ISA50-W5.5合79.4kWh ≒ 2,461円★4.16(32件)¥12,800 相場より高め
象印 NW-VS10IH5.5合80.4kWh ≒ 2,492円¥22,760 相場内
パナソニック SR-V10BBIH5.5合81.1kWh ≒ 2,514円¥65,800 相場内
東芝 RC-BK10VRRIH5.5合82.2kWh ≒ 2,548円¥14,690 相場内
パナソニック SR-X910D5.5合83kWh ≒ 2,573円★4.5(2件)¥90,916 相場内

年間消費電力量は省エネ法の測定基準による公表値。実際は炊飯回数と保温時間で変わります。炊飯器の個別製品ページは準備中です。

保温とレンジ温め直し、どっちが安い?

翌朝まで炊飯器で保温するか、冷蔵・冷凍してレンジで温め直すか。前提を固定して同じ物差しで並べると次のようになります。

やり方計算の前提電気代
保温8時間保温16.8Wh/h(圧力IH中央値)×8時間約4.2円
レンジ温め直し(1杯)レンジ入力1000W×2分約1.0円
レンジ温め直し(3杯)レンジ入力1000W×2分×3回約3.1円

レンジの消費電力は入力1000W(出力600W級の目安)で計算。数円の世界なので、金額よりも食感の好みや手間で選んで差し支えありません。

炊飯器の電気代を比較する際、「毎回炊く」場合と「まとめ炊きして冷凍し、電子レンジで温め直す」場合のコストの違いが検討されます。1回の炊飯電力量は合数を増やしてもほぼ同じ枠に収まるため、まとめて炊いて回数を減らすことで炊飯にかかる電気代は減少します。しかし、その差は1食あたり数円の範囲です。電子レンジ(入力1000W×2分)で温め直す場合のコストを約1円とすると、炊飯回数を減らしたことによる節電効果は、1食あたりの炊飯電気代からレンジの電気代を引いた差額に留まります。

そのため、どちらの方法が経済的かという点については、極端な差が生じることはありません。まとめ炊きをして冷凍する方法は、炊飯回数を減らせる一方で、冷凍庫の空き容量や解凍時の食感といった使い勝手の面も考慮する必要があります。電気代の差額よりも、毎日の手間や好みの食感、冷凍庫の状況といった個人のライフスタイルに合わせた判断が適しています。

方式と容量で電気代はどう変わるか

炊飯器を保温している夜のキッチンのイメージ
※写真はイメージです。

炊飯器の加熱方式による電気代の違いについて、現行収載されている電気式151機種のデータから比較します。

圧力IH(41機種)の中央値は、1回の炊飯が181Whで約5.6円、保温1時間が16.8Whで約0.5円、年間は87.7kWhで約2719円です。IH(64機種)の中央値は、1回の炊飯が167Whで約5.2円、保温1時間が17.4Whで約0.5円、年間は88.7kWhで約2750円となります。マイコン(8機種)の中央値は、1回の炊飯が99.3Whで約3.1円、保温1時間が10.5Whで約0.3円、年間は83.3kWhで約2582円です。

方式ごとの比較において、1回あたりの炊飯電力量の差は数円の範囲に収まります。マイコン式の数値が他の方式より小さく示されていますが、これは対象となる機種が小容量機であることに起因しています。異なる容量の機種を同じ物差しで比較する際は注意が必要です。

電気代のために買い替えるべきか——正直な答え

炊飯器の買い替えを検討する際、電気代の節約のみを目的にすると元が取れない可能性があります。公表されている現行収載151機種(電気式)のデータに基づき、方式別の中央値を算出すると、圧力IH式の年間電気代は約2719円となります。電気代の差は、機種間で比較しても年間の負担額として千円台の範囲に収まることが多い傾向にあります。

そのため、買い替えを判断する際は電気代ではなく、炊きあがりの質や容量、搭載されている機能などを基準にするのが現実的です。例えば、1回の炊飯電力量は合数を増やしてもほぼ同じ枠内に収まります。まとめ炊きをして回数を減らせば電気代は減少しますが、その差も1食あたり数円の範囲に留まります。

なお、表示されている年間消費電力量は省エネ法の測定基準による公表値であり、実際の炊飯回数や保温時間によって変動します。例えば、保温を続ける場合、9.6時間の保温で1回分の炊飯電力量に到達するというデータがあります。

  • 内釜の劣化コーティング剥がれ・炊きムラが出ているなら、電気代と無関係に買い替えの合理性がある
  • 容量が生活に合っていない大きすぎる釜で少量を炊き続けるより、容量を合わせるほうが仕上がりに効く
  • 電気代の節約だけが目的機種間の年間差は数百〜千円台。単体では買い替え費用の回収に時間がかかる

出典と計算条件

消費電力量: 各メーカー公表値(1回当たりの炊飯時・1時間当たりの保温時・年間)。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込・2022年7月22日改定)で計算。年間消費電力量は省エネ法の測定基準による値で、実際の使い方により変わります。価格: 楽天市場(取得時点)。データ取得 2026-07-14